国の借金 2 (お金とは何か)
前回の記事では、国の借金と国民の借金は=ではなく、むしろ債務者と債権者の関係であることを指摘しました。
さて、今回は前回記しました借金(日本政府が発行する国債)の中身を考えて見る前に、まず『お金』という概念について提示したほうが理解をしやすいと思いますので、経済の血液である『お金』について話したいと思います。
なぜ、私たちは福沢諭吉が描かれている紙をお店に持っていくと、自分が欲しいアイテムやサービスと交換してもらえるのでしょうか?
それは、その諭吉が描かれている紙に価値があると信じているからです。
言い換えると、その紙をどこのお店に持っていっても、それ相応のアイテムと交換できると信じているのです。
ここで疑問が浮かびます。
『それ相応の価値』とは一体どの位の価値なのでしょうか?
簡単に言うと、世の中で言われる価値とは『モノ(サービス)』と『お金』の量のバランスで成り立っています。
例えば世の中に1万円とりんごしかなかったとします。
ごの価値は1万円ということですね。
ところが、ある人がりんごを大量生産する技術を発明したとしてりんごを1万個作ることに成功したとします。
そうするとりんごの1個あたりの価値は1円に低下してしまいますよね
逆にりんごをだれかが食べてしまい、生産する前に世の中からりんごなくなったとしましょう。
そうするとこの1万円はただの紙切れになってしまいますね。
とても極端な例ですが、モノとお金の関係とはこのような構図になっています。
そして、前者であるモノの価値が低下することを『デフレーション』
後者を『インフレーション』(お金の価値が低くなる)
と現代では呼んでいるのです。
さて、ここでモノとお金の調整を行う人が必要になりますね。
現代ではその調整の役割を『日本銀行』いわゆる中央銀行がになっています。
とてもざっくりお話しましたが、ここで国の借金問題に戻ります。
前回の記事で、国民が政府にお金を貸していると言いました。
ここで重要なのは、国民がドルで貸しているはずもなく『円』で貸しているのです。
形としては『日本国債』を日本政府が発行して、その国債を金融機関が買い取っていますが、その中身は国民の貯金や年金、投資といった内容で実質は日本国民が国債を通して政府に貸しているのです。
これは悲観すべきことか、あるいは少々楽観視るいいのか?
次回はそこを考えてみたいと思います。